「あの日」からの32人の足跡を:DIALOGUE+ LIVE 2024 "LIFE is EASY?"に参加しました。

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DIALOGUE+ LIVE 2024 "LIFE is EASY?"に参加しました。

DIALOGUE+がついにパシフィコ横浜にたどり着いた。座席数5000を超える演劇・音楽用ホールは、日本国内に数えるしか無い(アリーナやドーム球場は主目的が異なる)。

会場が決定した時点ですでに、東京国際フォーラム(こちらも座席数5000を超える数少ないホールである)の空のホールに向かって、舞台から泣きながらに決意を叫んだあの映像を思い浮かべてしまう。

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「DIALOGUE+が」と書き、「彼女たちが」と書かなかったのはもちろん、「あの日」があるから。2022年11月19日。

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彼女たちを含む32人が紡いできた物語が、一旦区切りをつけたあの日。「また、明日」という言葉を残して。

 

今回のDIALOGUE+のライブは、32人の物語が「また、明日」を地道に積み重ねながら、確実に今日につながっていることを証明したものだったように思う。AiRBLUEの16人とその演者は一旦袂を分ち、Flower/Birdの8人は引き続きDIALOGUE+として、Wind, Moonはそれぞれの個性を活かした活躍の場を広げている。CUE!というコンテンツの集大成となった場所で、演者として舞台に立った彼女たちが、彼女たち自身のユニットでこの大きな舞台に戻って来れたことには賛辞を送るしか無い。AiRBLUEもVogelのプロジェクトが終わった後、どんな活動をしているのだろうか…という想像は尽きない。

 

という前置きはこの程度として、セットリストはこちら。

さすがにメモリアル的なライブだからナンバリングシングル全部やるでしょ?と思ったらまさかのやりませんでしたー!

あと、Longitude/LatitudeツアーではMCやバラエティっぽいコーナーもあったのでそっちの可能性もちょっとだけよぎりましたが、やっぱりMCほぼ無し、ライブならではの繋ぎや編曲で音楽体験の密度が過去一番濃厚になってました。さすが天才田淵P。

これまでのライブでそれなりにあった完全無音の時間を極力無くしていたのがすごかった。バンドのソロ(特にドラム)がかなり好きな自分としては、鈴木さんの活躍が大量に見れて良かったです!

そしてセトリと演出。オープニングのジングルがダイアローグワンツアーなのは古参を釣りにかかってましたね。最初のブロックは1stアルバムから多めの選曲。傘のマークで「マジ?」と思い、I my me mindの歌詞テロップで「走れ!君と曖昧な光の中で」のセルフオマージュとくるあたり、今回のライブはやっぱり「僕たちの現在地2024」という位置付けだったんでしょう。

 

個別の曲の演出については記憶が混沌としているので思い出せないのですが(あの鶴野有紗さんもこう言っている)、

 

中盤の山場はビデオ映像からの「かすかでたしか」「好きだよ、好き」でしょう。ここまではダンスフォーメーションでも魅せてきた彼女たちですが、ここでは一転歌唱力で押してきます。「好きだよ、好き」は(前述の通り)(東京国際フォーラムとは会場が違うものの)この規模の会場へと辿り着いた彼女たちが、結成当初から掲げてきた目標を一つ通過したことを高らかに宣言した瞬間でした。ライブのメッセージとしてはここがメインだと受け取っています。

 

終盤はデビューシングルとそのカップリング、そして最高傑作と最大ヒットの4曲でDIALOGUE+というユニットの現時点での最高到達点を見せつけてくれました(毎回インビテーションの"It's my CUE!"でちょっとしんみりしてしまう。あの曲調なのに)。

MCは最後の「おもいでしりとり」の直前、村上さんのみ。彼女は本当に聡明なのに加えて、飾らず等身大の自分の気持ちをまっすぐに伝えられるのが素晴らしい。(彼女自身は謙遜してましたが、いやあなた地上波アニメの主演経験者ですやん…と思ったのが正直なところ)

 

「私たちに出会ってくれてありがとう」

芸事を生業とするからには一般的な感覚の言葉なのかもしれないけど、CUE!でも同様のセリフが重要なキーとなっていた(はず。あえて調べない)。僕自身もこのユニットの活動初期に出会えたことを感謝している。

 

新曲「イージー?ハード?しかして進めっ!」はアンコールに。ここまで完璧なステージングをしていたのにも関わらず、内山さんがなんだか雑でゆるゆるな雰囲気にしてしまったのはご愛嬌(あれも計算だったらすばらしい!)。かくして21曲を120分でやり切る「DIALOGUE+の現在地」は過去最高と言って良い完成度と熱狂で幕を閉じました。2021年のダイアローグワンツアーは18曲100分、そこそこな長さの無音区間があったので、そこからメンバー、バンド、演出含めた改善がすごいですね。

 

細かいところ。

  • 衣装は前半全員白でご新規さんにはちょっと辛いかなーと思いましたが、これは全員のダンスパフォーマンスを一体に調和したものとして見せる意図があったのかと想像してます。
  • 横長巨大ディスプレイと上下するDIALOGUEロゴの組み合わせが良かった。ソロのメンバーカラーを切り替えるのとかはシンプルですが効果的ですよね。あと、席がかなり後方だったので、表情が細かく見えるのはありがたかったです。
  • これに関連して、拳を築き上げた腕を8分割でライブで合わせるのってすごく無いっすか?
    • 古参は「ぼくたちのかくめい!オンライン」を思い出したはず
  • 書いたかもしれないが、ライブならではのオリジナルのつなぎや特殊イントロ・アウトロが素晴らしかった。円盤化早くお願いします。
    • アンコールのMCで誰かが「しばらく見れないからね〜」と言っていて、あ、円盤化前提発言しちゃうんだwと思った

そして終演後、鶴野さんが彼女にしか書けないブログを投稿してくれました。

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やはり、ここは「32人」の通過点のようだ。