CUE! Reading Live vol.9 Moon 感想 エリスと利恵
CUE! Reading Live vol.9 Moon を見てきました。記憶のみ台本読み直さず一本勝負の感想メモです。
- 新たな朗読劇の準備が押し気味…という導入でスタート。アニメの後日譚ですね。
- 利恵の悪魔キャラ(多重人格?)設定を活かし切った脚本と、それを舞台でした成立させる演者(立花さん)の演技がとても良かった。
- これまでは基本として、凛音が暴走気味に物語を動かして利恵が振り回されて聡里がツッコミ鳴が俯瞰で見てる、だったのが変更。
- 利恵の本気悪魔モードに聡里がうろたえて凛音もいつもと違う方向で空回りする、という展開。鳴は常に利恵の理解者という立場
- 「利恵が演じているエリス」と「きちんとした(多重)人格としてのエリス」の演じ分けがこの脚本のキモで、それがきちんと表現されていたのが素晴らしかった。ここが曖昧な演技だと脚本の魅力が損なわれるところだったので、さすが立花さん、とうなったのがこの舞台。
- 聡里と凛音が普段との違いにうろたえるのも小峯さん佐藤さん二人の演技できちんと提示されてましたね。自然と客席から笑いが出る軽妙なやりとりも場面をうまく緩和させる良い味付けでした。
- 夢の場面は最初に発話した方の夢、と解釈したけどどうだろうか。最後は利恵の夢で、その中でエリスから利恵に切り替わるところの立花さんの表情がよかった。
- 平安時代の「想い人が夢に出てくれる」みたいなのも連想しました。なので、序盤の夢の場面は「利恵が鳴のことを想って鳴の夢に出てきた」で、最後は「鳴が利恵のことを想って利恵の夢に出てきた」と解釈。利恵・鳴の絆が幻想的でミステリアスな場面で繰り返し描かれていたのがよかったです。
- 基本的にはCUE!は現実に近い世界を描く群像劇なのだけど、利恵と鳴はファンタジック(スピリチュアルと言った方が良いかも)な異世界との扉として作品内に用意されてたんですね。
- MiRAGE! MiRAGE!!とヒカリニソマル未来の歌詞とかそのまんまだしなぁ。
- 途中までは「利恵が、押してる準備の進捗管理で皆を納得させる方便として悪魔キャラを選択した」の可能性も考えてました。でも最後まで見ると「方便としてではなく本当に数日間あの人格だった」の可能性の方がかなり強くなって、最後の聡里と凛音の混乱(「何が本当なの?」)にきちんとつながっていたのが面白かったです。
- エリスについてはアプリ開始から終始「あれはただの痛いキャラ設定なのでは?」疑惑がついて回っていたわけですが、ここで一定の解決を見たように思います。周囲はエリスは利恵の演技だと思っていて利恵すらも普段は演技しているのだけど、実はエリスという別人格がいて鳴はそれに気づいている。今回出てきたのは真のエリスの人格なので、「妙に完成度が高い」のはある意味当然。
- アプリのシナリオ抜けがある&再読できていないので、解釈誤りor公式言及済みかもしれない。
- 歌唱。おつきさまで黄色いライト振っときました。最後尾だったから誰にも迷惑かけてないでしょ…
- 最後尾ついでに会場について。20列目とアレな感じの引きでしたが、会場変更でかなり環境がよかったです。山野ホールのままだとかなり見づらかったんじゃないかな?
- 新曲は劇中からは分離。入れられる展開では無かったですね。
- ライブ良かった。けどReach for the world!はやっぱりやらなかった。あの曲だけ外向きで大きく広がる感じですからね。今日のシナリオだとスピリチュアルな他の曲が合う。2ndで体験できて本当によかった…
- 最後の挨拶。佐藤さん涙。小峯さんが感極まり気味だったのはちょっと意外でした。今までは一番飄々としていた印象だったので。
- 初回RLで号泣していた立花さんは清々しい笑顔。たくさん経験積んで成長されたんですね。「やりきった!」というコメントが印象的でした。
- 今年のRL3本の中で、飛び抜けて技巧的な演技を演者に要求していたように思いました。声優の皆さんは役者で、(そりゃ見てる方はライブは楽しいですが)こういった演技を長尺で見せてくれるコンテンツがなくなるのはさみしいなぁ、というのが正直な感想。
- 4thと合わせたRLの映像パッケージを希望しますが、そもそも4thの円盤が出るのかどうか…。
- 振替公演に尽力された皆様お疲れ様でした。